気を配ると気がつく

リハビリ関係者や介助の指導者は「重心が・・・」と言うことがあります.
でも,重心なんか物理的な計算で算出するものですから,感じられません.感じられないものを基準に自分の体の動きを修正しろと言われる患者さんは混乱するでしょうね.大半の患者さんは,言われたとおりにできません.できないから,リハビリに来ているのですからね.介助も同じ.

ヒトの動きは重さの移動です.重さは感じることができます.でも,多くの人は重さに気を配っていません.とっても大雑把な感じで動きます.例えば,「右足に重さをかけて」とか「おしりの重さを足にかけて」という程度です.初心者はそれで良いです.

でも,その感覚を丁寧に養っていくと,どんどん細かいところに気づきます.そのためには,細部に気を配ることが必要です.気を配らないところには,気がつかないのです.

私はセンサリーアウェアネスのセミナーに12年前に参加しました.そこで,座って片手を頭の上に伸ばすというワークをやりました.最初は何も感じません.でも,教師のジュディスに「続けます」と約束しました.自分の細かいところまで気を配るようにしていたら,年を追うごとにいろんなことに気づくようになりました.

楽に立って,体をチェックしてください.そのまま,右手の親指だけを伸ばしてください.ほらっ,左足の裏の動きに気づくでしょ? えっ,気づかない.気配りが足りません.