マイペースの誤解

「マイペースで学習を続けます」と言った人で続けた人を知りません。
ほほほ。

今日、バイク屋さんの師匠と話していたら、日本のトップだったワークスレーサーのお話をしてくださいました。
そのレーサー、A氏は世界大会でも有名な人でしたが、日本に帰ってきてからレースに勝てませんでした。
コーチがいいました。
「Aよ、お前、なぜあのコーナーをもっと厳しく攻めていかないのか?!あれを攻めなきゃ、勝てねぇよ!!」
A氏は答えました。
「タイヤの消耗とレースの残り周回数、時間を考えたらあれ以上は攻められない。あれ以上攻めたらタイヤが持たない!」
コーチが言いました。
「よし、わかった。次のレースでは最後まではしらなくてもいい。途中で終わってもいいから、最初から全力でいけ。ギンギンに攻めてタイヤが鳴こうが裂けようが気にするな。負けてもいい。」
「えっ、負けてもいいの! 」
「お前が攻めないで勝てないのも、攻めてタイヤを壊して勝てないのも同じだ。それなら攻めろ!」
次のレースでA氏は優勝し、その後、連戦連勝しました。

何かを「できない」という人は自分でガラスの壁を作っています。自分で作っているから気が付かない。そうして言い訳を考える。レーサーなら、タイヤやフレーム、エンジンのせいにする。子供は学習環境や親や友人のせいにする。父親は妻のせいに、母親は夫やジジババのせいにする。

しかし、それは現実を言葉で見えなくしています。現実は自分の行動にあります。言い訳せずにタイヤを壊すまで攻めれば、じつはタイヤが壊れず、優勝できるのです(必ずとは言わないけど)。

「マイペースで進みます」

「マイペース」は言い訳をして怠けることではありません.じぶんの持っている能力を過不足なく使って行くことです.

あなたも見えない壁に自分で作っているかもしれません.それは,たいてい「自分はわかっている」という思い込みです。自尊心とも言えるかもしれません。でも、そんなものはちっぽけなものです。それを捨てれば、その先にはもっともっと大きなものがあります。そして、その大きなものさえも捨てて進めば、今まで見たことのない世界を見られます(かもね)。

「 山川の末に流るる橡(トチ)殻も 身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ」(空也上人)