看護師になりたくて看護師になった人へのメール

3年前に外来に若いナースがいました.病棟で患者さんのケアをしたかったのですが,准看なので病棟に上げてもらえませんでした.看護師になって病棟で患者さんのケアをしたいと言うので,進学を勧めました.「推薦書でも診断書で何でも書いてあげよう」
試験に受かり小樽の学校に進学しました.日中は病院で仕事をして夜に学校で勉強するのです.3年間通い,今年の春に国家試験に合格しました.わざわざ私のところに報告に来ました.「危なかった.ギリギリだったんです」と言って合格証の点数を見せてくれました.「資格さえ取れれば,何点でも同じ.よくやった.合格祝いは何がいい」と聞くと,「あちこち出張しているでしょうから,各地のキティちゃんグッズがいい」といいます.orz
「それは探すのが恥ずかしいからお土産を送ろう」
先月の沖縄土産を送ろうとして電話番号を知らないことに気づき,メールしました.
「先月から夜勤に入って,研修も始まりました.なんとかやっています」とかえってきました.
私の返した返事が以下の通り.

「> 研修やレポートに追われて忙しいですが、なんとかこなしてます(。-∀-)

若いときは経験が足りないので,教えられる言葉の意味=実際を理解できません.
研修を受けてもちんぷんかんぷんなのが当然です.
しかし,経験を積むうちに,知識を得ていくうちに,知識と体験が結びついて知恵になります.
焦ることはありません.しかし,『マイペースでやります』とは言わないようにしましょう.
医者になってから,『マイペースで学んでいきます』と言ったナースが,マイペースで学習を続けてまともなナースになったのを見たことがありません.
『マイペースで』と言った人は,結局学習を成し遂げることはありませんでした.
やりたいことのために,学びなさいね.
やりたいことのために体験を積みなさいね.
今の人の多くは,『やりたいことが見つからない』といいます.
あなたは,看護をやりたくて学校に行き,資格をとったのですから,学び続けましょう.
それが自分の人生になります.
では,お土産を待っててね.」

やりたいときにやりたいことをできるのは最高の幸せです.
そして,やりたいことを持っているのは素晴らしいことです.
頑張らなくてよいけど,できることは続けていくのがよいです.
自分が先達から受けた恩は,若い人に返していきます.