感じる解剖

このページはアウェアネス介助論の紹介です。

 より詳しく知りたい方は、「アウェアネス介助論」を読んでください。

 
このページが「秘密の小窓」の始まりでした。

 このページを見て、シーニュ社が「このサイトを本にしてくれ」と申し入れてきました。

 
 3年間拒否していましたが、結局承諾しました。

 その後、4年かかって本を書きました。

 「アウェアネス介助論」の発売とともに出版権、著作権の問題を回避するために公開をやめました。

 このたび、サーバーの引っ越しに伴いシーニュ社と話し合い(1分で決定しました)、快諾されたので「アウェアネス介助論」の一部を紹介するという意味で再登場させることにしました。

 

 ここでは、解剖を解説します。

 医学部で教えられる解剖学は、人間を物体として分解していき、つながり方を基準に、各部分に名前を付けていきます。

解剖学の詳しい知識は、船戸和哉氏のサイトをお勧めします(勉強させていただきました)。

 私が医学生の時に学習した解剖学の教科書"Gray's Anatomy"はオンラインでフリーで読めるようになっていました(当時、大枚をはたいて購入したのに・・・)。とにかく、これはよい本です。


 「感じる解剖」の作成の参考にした文献は、こちらのページです。

このサイトでは「感じられる解剖学」を解説します。

 重大な注意:

 必ず、自分の体に触れたり、動かしたりして、自分で確かめてください。

 特に数値が書いてあるものは注意してください。自分の体では違うかもしれません。

 一般的に言われることと、あなたの体が今できることは、違う方があたりまえなのです。

 「言葉」で書かれたものは、実物とは違います。

 ときどき、実物のおもしろいところはなくなって、絞りかすのようになっています。

 その絞りかすを与えるしかできないことがあります。

 読者はその絞りかすをもとに、自分の体でおいしいところを再現しなければなりません。

 料理の本と同じです。


 キネステティクスではFunktionel Anatomie(機能的解剖)として、「ある機能をしている部分はどこからどこまでか?」という視点から、人間の体を分解し、名前を付けていきます。

 フェルデンクライス・メソッドでは、小さななめらかな動きをくり返すことで、自分の体についてのイメージを、実際の体に近づけていって、体のの地図をイメージさせます。

 アレクサンダーテクニークでは、日常的な自分の動きの中から、自分の「体の地図」を作ります。

 センサリーアウェアネスでは・・・、なんかよくわからないままに、気持ちよく動くうちに、自分の体の優しい使い方を知るようになるようです(自信なし)。

 いずれにしても、自分が持っている自分に対するイメージと実際の体が一致していると、楽に動けます。

 自分の持っているイメージと実際の体の関係は、「言葉」と「実物」の関係と同じです。つまり、「地図」と「現地」です。一般意味論を確かめてくださいね。

 自分の体の解剖について、実際に即した感覚を持っていると、「どこで何を感じているのか」がわかります。

また、「どこをどのように動かせばよいのか」がわかります。

つまり、上手にフィードバック・コントロールをできるようになります。

これはサイバネティクスの分野になります。

 もちろん、体の解剖は、自分の体をシステムとしてみるときの基本です。

 自分の体の解剖がわかるということは、「自分の体の境界を知る」ことです。

境界がわかれば、「図と地」ができますから、ゲシュタルトが完成します。ゲシュタルト療法のパールズが喜ぶでしょう。

 自分の体の解剖がわかると、非論理的な発言もしないでしょうから、論理情動行動療法のエリスも喜ぶでしょう。

 以上のような次第ですから、ここはいろいろな考え方の中から、わたしが自分の体で感じて理解したことを主にして紹介します。