上肢の後面

 2006年現在、私が感じる上肢の後面を青く色付けしました。

 これが絶対だというのではありません。

 「私が、今、感じるのはこうです」というものです。

 薬指まで後面に入れていいかもしれません。

 青く色づけしていないところは「前面」です。

 
弓道に学ぶ

 わたしは高校から大学にかけて弓道部に在籍していました。

 「月に叢雲(むらくも)の目付」とか、「天地合一の気」とか、意味不明の言葉が語られることがありました。

 私には理解不能でした。

 今なら、「ああ、このことか」と体験に結びつけられるのですが、的に当てることばかり考えていたときにはわかりませんでした。

 弓道では左手を弓手(ゆんで)とか押し手(おしで)と呼びます。

 右手は妻手(めて)とか馬手(めて)と呼びます。

 左手で弓を押すのです。

 右手は引くのではなく、夫に妻が沿うように左手に合わせて動きます(この表現は性差別かな?)。

 最初に押し手の握り方を教えられます。

 「壊れやすい卵を持つように握りなさい」と言われます。

 「握卵の手の内」と呼ばれます。

 小指と薬指で弓を握り、中指、人差し指は力を入れません

 そして、「弓は親指の付け根で押しなさい」と言われます。

 
 矢をつがえて、押し手と妻手を整えてから、弓と矢をそのままで上に持ち上げます。

 そこから、「両方の肘を左右に開くように、背中を開くようにおろす」と、矢が引かれます。

 そのあとで、ねらいを定めて、弓と矢が動くままにすると、的に当たります。

 「当てよう」と考えて、邪魔すると当たりません。

 だから、私はちっとも当たりませんでした。

 詳しく知りたい人は日本弓道連盟のページから「射法について」を見てください。

剣道に学ぶ

 剣道も「手の内」が大切です。

 特に左手の小指と薬指は強調されます。

 「臍下丹田(せいかたんでん)の力が左腕の裏筋を通って左手の小指を通じ剣先に現れる」と言われます。

トランペットの持ち方

 トランペットはバルブが3つついています。

 右手の人差し指、中指、薬指の3本でバルブを押し、左手の親指、薬指(または中指)で抜き差し管を動かして音を変えます。

 トランペットを支えるのは両手の小指です。

 小指から背中にかけての後面のラインで支えるつもりで、トランペットを持つと楽にもてます

 トランペットを持つことに、余分な力を使わなくてもすみますので、本来の自分の能力が出せます。

 上手になるとはいえませんが、本来の下手さ以下にはなりません。

 実はこのことに気づいたのは、石井さんのアレクサンダー・テクニークのレッスンを受けたときでした。