背板を上げるベッドについて

 ヘッドアップするときに、背板を頭側にすり上げる機構がついているものもあります。

 立ち上がりの時に前傾して背中が伸びるのと同じように、ヘッドアップでも背中が伸びるからです。

 各社が自慢げに宣伝しています。

 しかし、まだまだ、人間にはかなわないのです。

パラレルな起き方

 ベッドでギャッチ・アップするという「起き方」は、元気な人の起き方です。

 腹直筋を使ってパラレルに起きあがっているのです。

 「パラレルな起き方」は、左右の腹筋を同時に均等に使います。

 パラレルな起き方は難易度の高い動きです。

  ギャッチベッドの問題点は、「難易度の高い起き方を、気づかずに教育している」ことにあります。

スパイラルな起き方

 腹筋運動でも、やり方を変えると使われる筋肉が変わります。

 横へひねるようにすると、片側の内外腹斜筋が使われてスパイラルな動きになります。

 人間の動きとしてはスパイラルな動きの方が好ましいです。

 片側に重さをかけて支えにして、重さのかかっていない軽い方を動かすので楽です。

 体全体の筋肉に動きが伝わり、一つの筋肉が強く収縮することがありません。

 ここまで理解すると、ヘッドアップの時にも、少し横を向いてから起きた方が楽かもしれないと思うでしょう。

 試してください。

 試行錯誤から自分なりの仮説を立てて検証することが大切です。

 ただし、その仮説は一人一人の被介助者でちがったものになります。

 
そのようなオーダーメードの起きあがり方を考えることができることが能力の高さです。

 そのために感覚が必要です。
 

 上に述べたことを実践で行うと、褥瘡の治療に役立つかもしれません。

 坂本WOCが提示してくれた症例が、その一例なのです。