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この項は、「学習と理論」の中の「サイバネティクス」、「一般システム理論」、そして「心理療法」のなかの「ゲシュタルト療法」、「論理情動療法」、「患者と医療死の心理」が関係します。
この項と、前後して読むことをお勧めします(どこも長いですが・・・)。
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グルジェフ・ムーブメントを教育したグルジェフは、弟子たちによく言ったそうです。
「おまえたちは、することばかりをしようとするが、為(な)すことができない。自分が何をしているかに目覚めていない」
この言葉の意味がわかる人は、以下のことを読む必要はありません。
わたしは、初めてこの言葉を見たときに、意味がわかりませんでした。
「なにを、訳のわからないことを言っているのだろう」と思いました。
そのうち、「このことだ」と気がつきました。
まずは、グルジェフの言葉を見てみましょう。
K.R.スピークスは、こどもの時から、グルジェフの教団(?)で育った心理学者です。
グルジェフの語った言葉を、スピークスが「グルジェフ・ワーク」という本に書いています。
以下に引用します。
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第3章 普通人の心理学 |
人間は機械だ。
彼の行動、行為、言葉、思考、感情、信念、意見、習慣、これらすべては外的な影響、外的な印象から生ずるのだ。
人間は、自分自身では、一つの考え、一つの行為すら生みだすことはできない。
彼のいうこと、なすこと、考えること、感じること、これらすべてはただ起こるのだ。
人間は何一つ発見することも発明することもできない。
すべてはただ起こるのだ。
……人は生まれ、生き、死に、家を建て、本を書くが、それは自分が望んでいるようにではなく、起.こるにまかせているにすぎない。
すべては起こるのだ。人は愛しも、憎みも、欲っしもしない。それらはすべて起こるのだ。
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なかなか、神秘的な発言でしょ!?
これだけでは、わかりづらいでしょう。
もう一つ、同じことを言っているところを引用しましょう。
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第5章 グルジェフ・ワーク |
眠っている人間には〈なす〉ことはできない。
彼の場合、すべてが眠ったままでなされる。
ここで睡眠というのは、生理的な睡眠といった文字どおりの意味ではなく、比喩的な意味での睡眠のことで.ある。
何よりもまず彼は目覚めなければならない。
目覚めたなら、彼は現在の自分には〈なす〉ことができないとわかるだろう。
人は意図的に死ななければならない。
死んだとき生まれることができよう。
だが生まれたばかりの存在というのは成長し、かつ学ぷことが必.要である。
成長し、わかるようになれば、そのとき〈なす〉ようになるだろう。
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グルジェフの言葉のサイバネティクス的システム理論的実存主義的解説は次のページで。
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