ピグマリオン効果

 1968年にもローゼンタールとヤコブソンが教育効果について発表しました。


 ある小学校で、6歳から12歳の子供にテストを施行した。

 その結果を、受け持ちの教師に、「これから伸びる子供の名前を教えましょう」と言って伝えた。

 しかし、実際にはテストの成績と関係なく、でたらめに抽出した子供の名前を教えた。

 その1年後には、受け持ちの教師に将来伸びるとして名前を教えた子供の成績が伸びていた。


 このことを「マイ フェアレディ」のエリーザの言葉からとって、「ピグマリオン効果」と呼びました。

 子供は、教師から期待されていることに、それとなく気づいて、その期待に応えるように学習して成績が伸びたと考えるのです。

 「周囲が期待すると、それに応えて伸びる。だから、教師は子供に期待するのがよい」と結論づけられます。

 しかし、この結果には確実性がないと主張する人もいます。

 この報告には再現性がありません。

 観察者の期待が、実験の結果に影響しています。

 参加した「受け持ちの教師」は、告げられたこどもの名前を覚えていなかったという調査結果もあると言います。

 何が事実か断言できません。

 しかし、いずれにせよ、ひとつの報告ですべてがそうであるように考えるのは、行き過ぎです。

 教育における「ピグマリオン効果」は、当初発表されたほどのものではありません。
 
pre next