マイフェアレディとピグマリオン効果
マイ・フェアレディ

 1964年の映画です。

 レックス・ハリスンとオードリー・ヘプバーンが主演して、大ヒットしました。

 私はヘプバーンのファンです。

 受験勉強をさぼって、「二番館」と呼ばれる古い映画をやすく見せる映画館に行って、見ていました。

 ハリスン演じるヒギンズ教授は、英語の発音(Phonetics)の先生です。

 ヘプバーン演じるエリーザはロンドンの下町訛りのコックニーと呼ばれる英語を使う、貧しい花売り娘です。


 イギリスは厳然とした階級社会です。

 その階級を示すものは、話している英語振る舞い方です。

 英国上流階級の英語は、BBCの英語、知識階級の英語です。

 ロンドンの貧しい人々の英語は、ブリストル訛り、アイルランド訛り、スコットランド訛りなどで、厳しく無形の差別をされます。



 ヒギンズ教授は、友人のピッカリング将軍と賭をします。

 ヒギンズ教授は、「エリーザの英語とマナーを上流階級のものに変えて、社交界にデビューさせて、王子にばれない程度まで教育できる」というのです。

 そして、・・・。

 ヒギンズ教授に恋をしても、それをわかってもらえないエリーゼに、教授の母親が聞きます。



 Mrs. Higgins: However did you learn good manners with my son around?

 ヒギンズの母: でも、あなたは息子たちから上流階級のマナーを教わったのでしょう?

 Eliza Doolittle: It was very difficult.

 エリーザ: それに答えるのはとても難しいことですわ。

 I should never have known how ladies and gentlemen really behaved, if it hadn't been for Colnel Pickering.

 もし、ピッカリング将軍がいなかったら、ジェントルマンやレディの振る舞い方を知らない方が良かったと思います。

 He always showed what he thought and felt about me as if I were something better than a common flower girl.

 将軍は、わたしのことをまるで普通の花売り娘以上のものであるかのように、感じ考えてくれていることを示してくれました。

 You see, Mrs. Higgins, apart from the things one can pick up, the difference between a lady and a flower girl is not how she behaves, but how she is treated.

 おわかりでしょう? 身につけられるものとは関係なく、レディと花売り娘の違いは振る舞いかたではありません。 「どのように扱われるかにあります。

 I shall always be a common flower girl to Professor Higgins, because he always treats me like a common flower girl, and always will.

 わたしはヒギンズ教授にとってはいつまでも花売り娘でしょう。 教授はいつでも私を花売り娘として扱っているからです。 
教授はいつもそうしたいのです。

 But I know that I shall always be a lady to Colonel Pickering, because he always treats me like a lady, and always will.

 でも、将軍にとっては私はレディでしょう。 将軍はいつも私をレディのように扱ってくださるからです。将軍はいつもそうしたいのです。


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