指でカップの表面を触れてみましょう。
なにやら、触れたときに感じます。
その「感じ」はどこに感じていますか?
ほんのすこし、軽く触れると、いつもとは違うように感じるかもしれません。
圧として感じるかもしれません。
その「感じ」は皮膚の外ではなく、「内側」ではないでしょうか?
触覚の受容体は皮膚の中にあります。
カップの表面を詳しく知ろうとして、軽く指を滑らせることもあるでしょう。
指先の指紋の凸凹が、机の表面とすれて、小さく不連続に動くので良く感じられるようになります。
なぜでしょう?
それは触覚は力学的エネルギーにより生じるからです。
指先がカップに触れたり、カップをなでたりすると、指先に「力」がかかります。
この「力」は自分の力だったり、外部からの力だったりするのですが、いずれにせよ指の外側からかかる「力」で組織が歪みます。
この歪みが触覚の受容体に「力」として伝わります。
触覚の受容体では、この「力」により、細胞の内部の電位が変わります。
つまり、外部からきた「力」が受容体内部の細胞の電気的変化を作ります。
この「変化」が電気信号となって神経から脳に伝えられます。
触覚は体内の歪(ひず)みを感じています。
触覚は「外側の世界」の「物理的エネルギー(力)」が引き起こした「内側の世界」の「変化」を感じていることになります。 |