魔法か科学か


 
「インターネットの進歩はめざましいものがあります。」

 これは、事実です。

 「今、あなたの覚えたカードをインターネットを通してスキャンできるかもしれません。」

 これは、可能性について述べています。

 できるかもしれないし、できないかもしれません。嘘はありません。


 
「覚えたカードの絵柄を、頭の中に描いてください。」

 
これは、単なる「お願い」です。

「あなたの覚えたカードがありますか?」

 これは、単なる質問です。

 この文章の中に、だましたり、嘘をついたりしているところはありません。

 マジックを見て、「不思議だ」と思う人は、「不思議なことが起こった」と考えます。

 しかし、起こった事実は、起こるべくして起こっています。「そんなことが起こるはずがない」と思いこんでいたことが、「不思議」のもとです。

 「不思議」は事実の中にはありません。

 
「不思議」は「見た人の中」にあります。

 「わたしはひっかからなかった」と言う人もいます。

 この人は、「ひっかからなかった」と思っています。

 しかし、上記のように、マジシャンはお客さんをだまそうという発言はしていません

 
「ひっかけてやろう」という考えは、「見た人の中」から出たものです。