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呼吸と言えば、出てくるのは横隔膜です。 左のイラストに横隔膜を示してあります。 横隔膜は胸腔と腹腔を分けるドーム上の筋肉です。 オレンジ色は横隔膜の前側に垂れ下がる部分です。 赤く塗ってあるのは後側にたれていく部分です。 ですから、焼き肉屋では「サガリ」と呼ばれます。 横隔膜の後側は2つに分かれています。 第2・3腰椎の前面についている部分を横隔膜脚と呼びます。 その外側は、脊柱から腰方形筋と大腰筋をまたいで第12肋骨につながる内側と外側の弓状線についています。 大腰筋、小腰筋、腸骨筋はまとめて腸腰筋と呼ばれる筋肉です。 大腰筋は上部腰椎の側面から横隔膜の後を通って、腸骨筋とともに大腿骨の小転子につながっています。 股関節を伸ばすと、大腿骨は大腰筋を介して上部腰椎を前に引っ張り、脊柱の動きを制限します。 また、上部腰椎と第12肋骨は弓状靭帯でつながり、その弓状靭帯に横隔膜がつながっているわけです。 深呼吸の実験でおわかりのように、脊柱がそのS字カーブを自由に伸び縮みさせられることが、呼吸を楽にさせます。 つまり、呼吸を楽にするには脊柱の動きを制限しないことが大切です。 さらに、呼吸に重要な横隔膜も、脊柱の前面についています。 この脊柱の前面に大腰筋がついていて、下肢とつながっているのです。 これで下肢と呼吸の解剖学的なつながりはわかったでしょう。 しかし、大切なことを忘れないでください。自分の体で「感じる」ことが大切です。 感じないものを、理屈だけでわかったように考えると、とんでもない誤解をします。 |
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