静脈の還流

heart 心臓は血液を押し出すポンプです。動脈圧は120-140mmHGになります。

 もっと高い人も珍しくありません。

 左のアニメーションで、「心室」と書かれた左右2つの空間が血液を押し出すポンプです。

 血液は、左の心室から大動脈に押し出され、体中の組織に回ります。

 毛細管から静脈に回収された血液は、上下の大静脈から右心房に戻ります。

 右の心房にきた血液は右の心室が広がるときに吸い込まれ、肺動脈から肺に送られます。

 肺胞で二酸化炭素を捨て、酸素を取り込んだ血液は左心房に戻り、左の心室が広がり吸い込まれます。
 
 筋肉はある程度の長さのときに、もっとも効果的に収縮します。

 心臓の筋肉は血液が入ってくるから伸ばされます。

 静脈の戻りが少なければ、心臓の筋肉は伸ばされません。


 静脈血が戻されてこなければ、心臓の筋肉の収縮力は落ちて、心不全になります。

 心室の筋肉は厚くて力強くできています。しかし、心房の壁はぺらぺらです。

 体中の血液を吸い込む力を期待できません。

 さらに、心室には血液の入るところと出るところに弁がありますが、大静脈から心房に入るところには弁はありません。

 心臓は筋肉ですから、収縮するときに「力」を出します。

 押し出すのには効果的です。

 しかし、拡張するときには筋肉は元の長さに戻るだけなので、大きな「力」を出せません。

 心臓が、体中の血液を吸いこむのは大変な仕事です。

 静脈の血液を心臓に送り込むのを助ける「力」があります!
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