マルチチャンネル


 ただし、「体験」の中には言語化できないものがあります

 このように、言語化されないものを「非言語」と表記してみます。

 人間は「言語」と「非言語」でコミュニケーションできます。

 上の図では、AとBは2つのチャンネルでコミュニケーションしています。

 「言語」チャンネルと「非言語」チャンネルです。

 わかりやすいように、ここでは「非言語」の代表として身振りを使ってみます。

 ここで「身振り」というのは、「お互いに意味を約束していない動き」のことです。

 手話のような「記号として使われる動き」ではありません。

言語化  今、Aは● を送ろうとして、「言語」チャンネルの辞書Aを開いてみました。

 「●▼★」という「言語」に変換するようになっていました。

搬送  Aは「●▼★」をBに送ります。

イメージ化 「●▼★」を受け取ったBが辞書を見て「意味」を調べると、● とでています。

理解   BはAが送ったものが、● だと理解しました。

 Bは● を受け取ったと、Aにフィードバックしようとします。

 今度は、「非言語」チャンネルで返します。

 つまり、受け取るときの辞書と、送るときの辞書が違います。

非言語化  Bは「非言語」チャネルの辞書を調べます。すると、● を示す「非言語」はであるとでています。

搬送  BはAにを返します。

潜在イメージ化  を受け取ったAが、「非言語」チャンネル用の辞書を見てみるとの意味は● とでています。

理解・確認  Aは送った「意味」の● と受け取った「意味」の● が違うので、間違いに気づき、もう一度、違う方法で● を送ることができます。


 このように、「言語」と「非言語」の2チャンネルでコミュニケーションすると、使われる辞書が違うので、「伝達の誤り」を検出しやすくなります。

 このチャンネルを、もっと細かく分けて、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を使うと、さらに「誤り」の検出精度は高まります。

 これらのコミュニケーションのチャンネルに、「動きの感覚」を加えたものがキネステティクスです。