紀元前400年頃のソフィストとして有名なゴルギアスは、
「何ものも存在しない。
何ものかが存在するとしても,私に認識されないものは存在しない。
何ものかが認識されても,それを他の人に伝えることはできない」
と主張し、すべての理論には反論できると教えました。
ゴルギアスが言うとおり、「何ものかが認識されても、それを他の人に伝えられない」のですから、そのようなゴルギアスの認識したものも生徒には伝わらないのです。
ですから、ゴルギアスの主張している「反論できる」ことさえ無意味になります。

「認識」という行動を理解すれば、
「何ものも存在しない。
何ものかが存在するとしても,私に認識されないものは存在しない。
何ものかが認識されても,それを他の人に伝えることはできない」
という記述自体は理解できるものです。
ただ、この考え方を使って、「すべての理論に反論できる」と言う点で、ゴルギアスは「上質な智を好む」人ではなく、「口先でごまかす人」になってしまったのです(現代にもいますね)。
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