エリスの論理情動療法

 さらに、意識して実験することもできます。

 キャンデーを食べつづけて虫歯を作ることもできますし、全粒粉のクッキーを食べつづけて、それが健康に良いことを確認することもできます。

 キャンデーが「悪い」結果を引き起こし、全粒粉のクッキーが「良い」結果を引き起こすとわかった後でさえも、またキャンデーを選ぶこともできるわけです。

 問題は、あらかじめ選択肢が決められていて、それに従わなければならないところにあります。

 そうするためには、あらかじめ、ある目標とそれに対する評価を決めなければなりません。

 そうすると、歯が丈夫で健康であることを高く評価し、目標達成のために甘いキャンデーを控えることになります。

 しかし、本当は「どんな結果が来ようとも、喜んでその結果にあまんじよう」と決意して、キャンデーを貪(むさぼ)り食うこともできたはずなのです。

 目標は大事ですが、それを達成しようとすることが、目標達成に役立つこともあれば、目標を台無しにすることもあります。