エリスの論理情動療法

アルバート・エリスについて
 エリスははじめ、経営学を専攻しました。

 その後、文筆家を目指しましたが、売れませんでした。

 ノンフィクションを書こうとおもい、「性と家族」のついて資料を集めたり、インタビューをしているうちに、「性と家族」の問題の専門家と見られるようになりました。

 エリス自身も、人の話を聞き、問題解決を図ることが面白いことに気づき、心理学科に入学しました。1年で学士号をとり、その後、博士号もとりました。

 フロイト流の精神分析をしているうちに、自分がかつて学習したエピクテートスやマルクス・アウレリウスの哲学をあらかじめ教えたほうが、効果的であることに気づきました。

 エリス自身も、もともと論理的で教えるのが好きな性格でしたから、クライエントに論理的に教えたあとで、クライエント自身が行動して効果を確かめるというほうが好ましかったのです。

 このようにして、精神分析から離れて、論理情動療法が確立しました。

エピクテートス
西暦100年ころのアテネの哲学者。

 人間が完全に支配できるのは自分の意志だけであり、意志外のものはかならずしも自由に支配することはできないとの認識を基調とした倫理的思想を説きました。

 以前のAEIのページには、「What disturbs people's minds is not events, but their judgement on events. 人の心を乱すものは、ものごとではなく、そのものごとに対する解釈である」というエピクテートスの言葉が書かれていました。