エリスの論理情動療法

 また、かつて「こうしたら、うまくいった」という先行経験、つまり過去を引きずることが、「今、ここで」ということを忘れた自滅的行動を造ることもあります。

 また、こうあるべきとか、こうしたいという未来のイメージを作ることで、うまくできないこともあります。

 達成目標が目標達成を邪魔することがあります。

 自分の持っている価値観が否定的、自滅的結果をもたらしているかもしれません。そのようなときには、自分の持っている価値観を否定してみると変化が始まるかもしれせん。

 人間は、自分を外側から観察することはできませんから、セラピストがお手伝いします。

論理情動行動療法

 クライエントは、上にあげたような非論理的な判断をやめて、最初に述べた理論的仮説を行動により確認し、自分自身と自分の考え方を評価し、くり返すことで、自分の考え方を変えることができます。

 仮説を実践で確認・検証するという科学的で論理的態度です。

 そのために、セラピストはクライエントを論理的に指導し、指示を与えて、それを実行して確かめることを勧めます。

 エリスはクライエントに、宿題を出し、実行した結果を確認していました。

 これによって、すぐに問題が解決することはありませんが、少なくとも、自らの上手ではない認識を変えることで、ひどい不快や極端な嫌悪感は弱められるでしょうと、エリスは言います。


このエリスの考え方は、一般意味論、内言論、サイバネティクスを理解すると、とても分かりやすくなります。