ライヒの性格分析
性器期

 ライヒは、分析がどのくらい進んだかに関係なく、治癒したクライエントの方が、治癒しなかったクライエントよりも満足した性生活を送っていることに気づきました。

 異性を引っかけて性交渉をたくさんするというのではありません。

 「満足できるかどうか」が大切です。


 フロイトは発達段階を口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、思春期に分けました。

 それぞれの段階でリビドーの消費されるところが違うというのです。

 ライヒは成熟した人間は、異性との接触により性器でリビドーが消費されると考えました。

 これを、性器期と名付けました。

 ただし、異性なら誰でも良いというのではありません。

 お互いが相手を人間として尊重し、信頼し、裏切らない関係にあるときに、「成熟した人間」として性的接触から満足(オーガズム)を得られると言うのです。

 このようにして、満足できる性交渉により、リビドーが性器で消費されます。

 抑圧されて無意識のエスの中にたまっていたリビドーが無くなります。

 ですから、満足できる性交渉の後に、完全なリラックスが生まれると言います。

 これによって、エスは再びリビドーを産生します。

 リビドーの産生、貯蔵、放出、リラックスを繰り返すことが、人間の自然な生き方だとライヒは考えました。

 これは自動車のエンジンが、吸気、圧縮、爆発、排気するのと同様の4サイクルのリズムだと言います。



 もし、満足な性的関係を持てなければ、リビドーは内部にたまり、滞ります。

 これが神経症の元になると考えました。

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