あなたの出す「力」は最初はすべて「内側の力」です。

 ですから、上手にそれを「外側の世界」に出してあげなければなりません。

 もし、あなたが介助を仕事とするならば、それが「介助技術」です。

 もし、あなたがダンサーなら、それがダンステクニックです。

 もし、あなたがミュージシャンなら、それが演奏のスキルです。

 体を縮めて、力を入れたときに、からだの「内側の空間」が狭くなります。

 これは「内側の力」が大きくなると、体の中で手足や体幹が動いて空間を使ってしまうからです。

 例えてみましょう。

 体には100メートルの「内側の空間」があるとしましょう。

 あなたががんばって出した「力」がすべて「内側の力」になれば、この「内側の空間」をどんどん動くわけです。

 もし、90メートル使ってしまえば、あなたが本当にやりたいことに使える「内側の空間」は10メートルしか残りません。

 がんばって「力」を入れたのに、結果は老人と同じ動きになります。

 がんばらないで、体の「外側の空間」に出せるだけの「力」を出せばよいのです。
 
 「内側の空間」に「内側の力」として残すと、いわゆるストレスとなり体をこわします。