力こぶを作ったときの「力」は「外側の世界」に変化を与えていません。

 肘を動かしていないのですから、空気さえも動いていないのです。

 それでもあなたは「力を入れた」ことを感じています。

 ですから、力こぶを作ったときには「力」を出していたのです。

 力こぶを作るために「力」を出し続けていれば、疲れます。

 「内側の力」を出しているからです。

 「外側の世界」に影響を与えずに、自分の「内側の世界」だけに影響を与える「力」は「内側の力」です。

 人が「力」を出したときに、その「力」は「内側の力」と「外側の力」に分かれます。

 あなたが何かをしたいのなら、出した「力」がすべて「外側の力」になるようにすればよいのです。

 もし、「内側の力」が大きくなれば、その「力」は自分の体をこわすようになります


 「介助をがんばりすぎて、腰痛になった」という人がいます。

 腰を壊す「力」は被介助者が出した力でしょうか?

 被介助者は自分で動けないから、介助されています。

 もし、押さえつけないほど力強いのなら、介助の対象として疑問です。

 そんなときは、介助ではなく抑制しようとしているのかもしれません。

 腰を壊す「力」は自分自身の力です。

 腰痛は介助しようと思って出した「力」を、「外側の世界」に出さずに自分の体に向けた結果かもしれません。