介護における「空間」


 縮んだ時と、伸びたときの体の感じは同じでしたか?

 体には「内側の空間」があり、体を縮めたときには、それが狭くなり、体を伸ばしたときには、それが広くなると感じませんか?

 もし感じなければ、ごめんなさいです。そのうち、感じるときが来るでしょう。

 あなたが80歳くらいになり、腰が曲がり、膝が硬くなったときに感じます。

 腰の動きが悪かったり、膝の曲がりが悪いということは、そこには動けるだけの「内側の空間」がないことを示しているからです。

 そう、老人は「内側の空間」が狭くなっているから、動きが悪くなっているのです

 そして、赤ん坊は「内側の空間」が広いから、いろいろな形をとれるのです。


 「空間」は「内側の空間」と「外側の空間」に分けられます。

 「外側の空間」はすーっと宇宙の果てまで広がっています。

 しかし、「内側の空間」の広さには限りがあります。


 ここまでに書いた「時間・空間・力」の中の「空間」は「内側の空間」と「外側の空間」の合わさったものです


実験 椅子から立ち上がる

 椅子に座ります。
 
 立ち上がります。

 もう一度、座ります。

 60歳くらい年をとったつもりになってください。

 体は思うように動かせません。力もありません。

 そうして、椅子から立ち上がってください。