インタラクションの部位


 この介助の時に、「介助者の背中」と「被介助者の上肢と頬」の間で、「動きの情報」が交換されます。

 なぜ、「被介助者の頬」なのでしょう?

 「感じる解剖」の頭と首を読んでください。

 首を硬くすると脊柱の動きがなくなります。体位を変えられなくなります。

 ですから、首は柔らかくしておきたいのです。

 首を柔らかくすると、頭は介助者の背中に乗ります。

 このときに、被介助者の頭が真正面を向いていると、首が反ってしまい、脊柱が動かなくなります。

 上のアニメーションなら右を向いて、頬を介助者の背中につけると楽になります。

 そして、「被介助者が首をゆるめている」という「動きの情報」が被介助者の頬から、介助者の背中に伝わります



 また、被介助者の上肢は介助者の背中に乗せられます。

 しかし、動きの間、その重さの大部分は被介助者に流れます。

 上肢の重さの一部は介助者の背中を通して、介助者の足に流れます。

 この「重さの変化」が、被介助者の「動きの情報」になります。

 また、被介助者の上肢を前にのばして、介助者の背中に乗せた状態では、上肢は胸郭を引っ張っています。

 上肢と胸郭には「引きの関係」があります。

 介助者が体を動かすと、乗っている上肢も一緒に動きます。

 介助者が上手に動くと、上肢を介して被介助者の胸郭を引いて骨盤を前傾することを思い出させてあげられます。

 これも「動きの情報」です。

 以上の情報交換の時に、介助者は被介助者の重さを抱えてはいけません。

 「違いを作る違い」が伝わるだけでよいです。

 介助者は「もちあげよう」と思った瞬間、キネステティクの「接触と動きはコミュニケーション」の考えを捨てることになります。

 


 このように、「動きの情報」が伝わるところが、インタラクションの行われている部位です。

 この介助では、介助者の背中と被介助者の上肢と頬が「インタラクションの部位」です。

 介助者の右手と被介助者の臀部も補助的に使われます。