下あごをあげるとき、下顎骨の外側から咬筋が引き上げると同時に内側から内側翼突筋が引き上げます。

 下顎骨は、咬筋と内側翼突筋のハンモックで吊られています。このハンモックが下顎骨を引き上げて「噛む」のです。

 さらに側頭筋が後ろ上に引き上げます。

 奥歯を軽くかみしめるとき、この咬筋、内側翼突筋、側頭筋の動きを感じることができます。

 
 

おまけの知識

 肉食動物は咬筋と側頭筋が発達しています。

 ネコサーベルタイガーの頭蓋骨標本を見てください。。

 顎関節は臼歯と同じレベルにあります。

 ライオンや豹が獲物を倒し、食べるところを見てください。

 肉を咬みちぎり、噛まずに飲み込みます。

 咬筋と側頭筋の前側で咬み、側頭筋の後側で顎を引いて、咬みちぎるのです。

 そして、臼歯で噛まずに肉片を飲み込みます。

 草食動物は、咬筋と翼突筋が発達しています。顎関節は臼歯より上のレベルにあります。

 牛や馬は食べた草を臼歯を前後左右に動かして、たっぷり時間をかけて噛みます。

 じっくり噛んで、飲み込みます。

 咬筋を使って噛みつぶし、翼突筋を使ってすりつぶしています。

 筋肉から見ると、人間は草食動物です。

 ただし、食べるときによだれを垂らしたり、反芻したりはしません。