顔面には耳の前から目尻にかかる骨の橋があります。頬骨弓と呼ばれます。

 下顎骨には翼のようなデッパリがあり、これを翼状突起と呼びます。関節突起は前に出てきました。あごのエラは下顎角です。

 ほっぺたに手を当てて、歯をかみしめてください。

 指先に触れる固くなっている筋肉が「咬筋」です。頬骨弓から下顎角についています。

 咬筋は噛むのに使われる筋肉の中でもっとも強い筋肉です。

 あごを楽にして、指先を耳の前のやや上に当てて、下あごを前後に少し動かしてください。大きく動かすと顎関節が痛くなります。

 指先に触れて動くのが、「側頭筋」です。側頭骨と翼状突起をつないでいます。

 側頭筋は扇のように広がっています。そのため、下顎骨を上にも、後ろにも引っ張ることができます。

 コメカミのところで動いて、奥歯を前後にすり合わせているのは側頭筋です。

 目を閉じて、頬のあたりに注意を向けます。

 下あごを左右に2−3ミリ動かしてみます。下あごを動かすときに、左に動かすと右側の、右に動かすと左側の頬の中に、なにかが動くのを感じませんか?

 外側翼突筋は頬骨から関節突起につながっています。顎を前に出します。

 右の外側翼突筋だけ収縮すると、右の関節突起が前に出されます。下あごは左に振られます。

 顎関節に軽く指を当てて、下あごを左右に動かしてみてください。関節突起が前後に動くのを感じるでしょう?

 内側翼突筋は頬骨と下顎角の内側をつないでいます。下顎骨を前上に引きます。ですから、下あごを左右に動かすときには、内側翼突筋と外側翼突筋の両方が働きます。