立っていても、膝は楽に小さく動かすことができます。

 膝は伸ばしていても、「余裕」があります。

 膝は十分にのびたときでさえ、ゆるゆると楽に小さく動かせます。

 しかし、膝を伸ばしきると、それ以上動かなくなります。

 「動かないほどに背中側に押しつけたとき」は伸びすぎです。

 この状態を過伸展と呼びます。
 

 多くの人は、「膝は単純に屈伸するだけだ」と思っています。

 左のイラストのようにチョウツガイとして、折れたり、のびたりするだけだと、思っています。

 しかし、膝から下の下腿を小さく回すように動かしてみると、その動きは膝関節で起きていることがわかります。

 じっくり感じてみると、その動きのために、大腿の筋肉が使われていると感じるかもしれません。


 椅子に座って、膝を直角に曲げているときには、小さく廻りさえするのに、膝を伸ばしきると余裕がなくなり、下腿はまったく動かなくなります。

 

 膝は下肢のほぼ真ん中にあって、下肢を曲げることができます。

 膝を曲げると、ハムストリングがゆるむので、股関節を曲げることができます。

 両足で立って膝を伸ばすには、ハムストリングを収縮させます。

 ハムストリングは骨盤の坐骨から下腿の脛骨を結んでいます。

 ハムストリングが短縮すると、骨盤は後ろに傾きます。

 骨盤が後ろに傾かないように、大腰筋や腸骨筋で調節することができます。

 骨盤が後ろに傾くのを嫌って、あなたの体は習慣的に緊張しているかもしれません。