わたしは鬱である

 仕事もしたくない。

 これは仕事を始める前から生じている。

 小学校に通っているときは、仕事を一切しなかった。

 わたしが仕事をできないほど鬱だから、回りも仕事をくれなかったのだ。

 わたしの回りは、仕事をしない小学生がいっぱいいた。

 小学生に仕事を依頼して給料を払う人はいなかった。


 今も仕事をしたくないという症状は続いている。

 わたしは毎日、人間ドックで問診と説明をしなければならない。

 朝、人間ドックの診察室に行くと、担当の高橋さんが書類やエックス線写真を並べてくれている。

 わたしは自分が鬱であることを訴える。

 「あー、今日はダメだ。わたしは鬱状態で、仕事ができない。」

 「そんな、先生が鬱なわけないでしょ。

 先生が、鬱ならわたしはどうなるんですか?」

 このようにわたしは周囲から理解されない人間である。

 この周囲の無理解がわたしを落ち込ませる。