ド あんたは声そのものにはなれない。
「わたしは声をコ ントロールして抑えつけている。声を操っている」 ア わたしは
声をコントロールして抑えつけている。 ド 「わたしは声を操っ
ている」 ア わたしは声を操っている。
ある意味で実際の声と変 えている。
自分自身が自分の声にとって最大の武器で、本当のわたしの声とは違うものにしていた。
自分の声に入る怒りの調子をなんとか抑えつけてきた。
そし て、そうやって、自分が欲しいものを手に入れるようにしてきたわ。
それについては上手だった。
上手だった。
本当に上手だった。
ド こんどは、「わたしは操るのが上手」と言って。 ア
わたしは操るのがとても上手。
でも、現実を見つめるべきね。
うんざりするほど下手なのよ。
わたしがやっていることをちょっと見ると、みんながわかってしまうの。
そりゃ、最初はわからないわ。
でも、やっているうちにばれちゃうの。
誰もわからないと思って、私はゲームをしているつもりだけど、みんなはわかっているの。
みんなわかっているのよ。
でも、わたしだけが、みんながわかっているということをわかっていないの。
おろかな役者よ。
ド 声を変えないで。 ア 悲しい、悲しい、悲しい、悲しい、悲しい。
自分を哀れむなんて、おろかなことよ。
悲しい。 |