日常の介助の現場でも同じようなことが起こっているかもしれません。
「立ち上がれない」と言う人がいます。
立つことを手伝おうとして、介助者が手を伸ばすと、介助者の手をひっぱってきます。
被介助者がやりたいことは、「立ち上がる」ことです。
しかし、被介助者が実際にやっていることは、座り込んだままで、介助者を引きずり込もうとしている動きです。
たいていの場合、介助者は、「自分が引っ張られている」と気づきません。
介助者も「目覚めていない」のです。
このような介助の結果は、被介助者が転ぶか、介助者の腰を壊すかです。
手を伸ばして引き上げようとする前に、被介助者自身がしていることに気づくようにしてあげることのほうが役立つかもしれません。
介助する人は、目覚めている自由な人になることが必要です。
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