| 人は注意を向けたものを「図」としてみて、その周りを「地」としてみます。 その「図と地の境界」が意味を持ちます。 「図と地の境界」が明瞭になると、ゲシュタルトが完成して、人は次の段階に進めます。 完成されたゲシュタルトは、その後に影響を残しません。 境界が不明瞭で完成されなかったゲシュタルトが、いつまでも尾を引いて、クライエントを苦しめます。 今までのことを踏まえて、「ゲシュタルト療法1」の「インタビューを忘れかけたアデレード」を読み直すと、「今、ここ」で何が起こっていたかがわかるかもしれません。 パールズは、いろいろな技法を使います。 自分の体の状態と、考えていることに交互に注意を向けさせて、「今、ここ」に気づきやすくさせるシャトル技法、自分の感じたものを演じる心理劇、自分と相手の立場に体ごと転じてみる「ゴールデンシートとエンプティシート」、その変形の「勝ち犬と負け犬」。 これらに共通しているものに気づくでしょうか? 共通点は非言語的コミュニケーションです。このような技法では、かならず体が使われます。 「全体としての人間」では、心の中にあるものの大部分は言葉にならずに、体の動きとして表れます。 セラピストとの共通な記号ではありません。 クライエントの意識下と意識の上(氷山仮説参照)を結ぶかもしれない記号です。 これらの技法は、そのような動きを引き出しやすくします。 そして、セラピストはその動きに気づくようにします。 セラピストはクライエントの動きの意味を知りませんが、「気づき」を誘います。 こうして、クライエントが、今まで抱えてきた丸飲み(イントロジェクション)、投射(プロジェクション)、反転(リトロフレクション)、融合(コンフルーエンス)に気づかせて、「今、ここ」で境界を明瞭にして、ゲシュタルトを完成させるのです。 |
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