大腰筋と腸骨筋


 骨盤を前に傾けることは、股関節を曲げることです。

 股関節を曲げるために使われる主な筋肉は、腸骨筋と大腰筋です

 腸骨筋は骨盤の内面にくっついています。

 腸骨稜と大腿骨の小転子をつないでいます。

 腸骨筋が収縮すると、大腿骨が骨盤に近づきます。つまり、股関節が屈曲します。

 大腰筋は腰椎と小転子をつないでいます。

 大腰筋は、腰椎同士の関節、腰椎と仙骨の関節、股関節という複数の関節をまたいでいますから、そのの働きはとても複雑です。

 大腰筋の中のどの部分が収縮するかで、腰椎の曲がり方が違います。

 骨盤で座っているとき、両脚で立っているとき、鉄棒にぶら下がっているときで、大腰筋の収縮による腰椎、骨盤、脚の動きは変わります。

 また、股関節周囲の筋肉の緊張でも変わります。

 ここも参照してください。もっと、詳しく観察できます。
 実験

 いすに座って、ウエストの力を抜きます。

 骨盤は後ろに傾き、背中は丸くなり、背が縮んだように感じます。

 重さは坐骨結節の後側にかかります。

 骨盤をゆっくりと、前に傾けます。

 このときに、頭を前に傾けないで、頭のてっぺんが天井のほうに引っ張られるように動いてください。

 すると、脊柱がのびて、骨盤が前に傾き、坐骨結節の上に座ります。

 その後、ウエストの力を抜いて、前の姿勢に戻ります。

 このときに、骨盤の前の下側の内側、大腿骨との境目あたり、小転子のあたりの緊張を感じてみます。