顎関節は「緩い関節」です。どんな方向にも動きます。 ですから、前後左右に動いて、食べ物をすりつぶすことができます。 食事の時に、ミートボールのような軟らかい物と、野菜のようなごりごりした物を食べて、噛むときの「違い」に気をつけてください。 いつでも同じように噛んでいますか? 野菜の時と、ミートボールの時で、顎の骨の動き、顎関節の動きに違いはないでしょうか? 食べ物を噛むときに、歯をガチガチとぶつける必要はありません。 食べ物の抵抗を感じて、その食べ物がつぶれていくだけの力を入れるだけで、噛むことができます。そうすると、食べているものの味がよくわかるようになります。 もし、必要以上の力をかけたら、過剰な力はあなたの歯を壊すか、噛むために使う筋肉を壊すか、顎の関節を壊すことになります。食べているものの味もわかりません。 満腹することだけを目指して、早く食べると、必要以上の力がかかり、食べ物の味もわからず、顎もいたみます。 また、「歯ぎしり」や「噛みしばり」も、このような破壊に結びつきます。 ときどき、自分の口の中に注意を向けてみましょう。 気がつかないうちに、くいしばっているかも知れません。「がんばろう」と思った途端にね。 でも、「いつでも、顎をこのように使え」と言うのではありません。 大切なことは、 「自分の顎が、今、何をしているか」 に気づくことです。 レストランで食べているもので、自分の顎が壊れそうと気づけば、噛むのをやめることができます。シェフを呼んで苦情を述べて、違うものを注文することもできます。自分のやりたいことができます。 そうすれば、老齢になっても、自分の歯でご飯を食べていられるかもしれません。 |
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おまけの知識 | |
蛇は自分の頭より大きな獲物を飲み込めます。不思議でしょう? ここのサイトとここのサイトを見てください。「蛇はどうやって獲物を飲み込むのか」が解説されています。 蛇の顎関節は二段仕込みです。 頭より大きな獲物を飲み込むときには、顎の関節が150度開きます。 さらに、下顎は真ん中で2つに離れるようになっていて、左右別々に動きます。上あごには歯が2列になって生えています。 蛇が卵を飲み込むときには、上あごの歯が卵の殻を引っかけ、左右の下あごが交互に卵の殻の上を前に動いていきます。 左右の歯が「歩いていく」のです。 このへんはキネステティクの「歩く移動」という概念そのものです。 すべての蛇がこのような顎を持っているのではありません。中には顎のはずれない種類の蛇もいます。 人間の顎関節は緩いのですが、蛇ほどではありません。 |
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