口を大きく開けると、「コキッ」とはねるように顎の動く人がいます。
また、顎関節が痛くて口を大きく開けられないという人がいます。
このようなひとは、「顎関節」を痛めています。
「フェルデンクライス・メソッドや、アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けると、顎関節症が改善した、治ったという人が出てきます。
関節突起は顎関節の中で前後左右に大きく動きます。
だから、ご飯を奥歯ですりつぶすことができます。
顎関節はいろいろな方向に動く「緩い関節」です。
緩いにもかかわらず、なめらかに動くのは関節窩と関節突起の間に、「座布団」が入っているからです。
この座布団は関節円板と呼ばれます。
「顎関節症」の顎関節について、大変よくわかるサイトがあります。
ワシントン大学の放射線科のドクターのサイトです。
TMJ Anatomy & Function
ここのQuickTimeのアニメーションはとてもわかりやすいです。
ぜひ、ここを見てください。
英語の用語の解説をしておきます。
TMJ=Temporomandibular Joint 側頭骨と下顎骨の関節、つまり顎関節。
Mandible=下顎骨。 Condyle=関節突起。
inferior view=「下から見たところ」 superior viewは「上から見たところ」
関節突起が斜めになっているでしょう。だから、ちょうつがいのようには動かないのです。
Articular Fossa=関節窩。 Articular Eminence=関節隆起。
Meniscusが今、話題にしている「関節円板」。
Reduction=関節円板が元の位置に戻ること。
QuickTime movie of Normal TMJ motionは、顎関節の中の正常な関節円板の動きを見せています。
「普通の顎関節」
口を開くと、関節円板が関節突起といっしょに前方に移動して関節窩との関節突起の滑りを良くします。
「軽い顎関節症」
関節円板はひものような組織で関節内につなげられています。このひもがゆるむと、関節円板が行きすぎて、折れ曲がります。
そして、さらに関節突起が関節隆起のほうに進むと、はねて戻ります。
With ReductionとタイトルのついているQuickTime movieを見てください。
よくわかるでしょう?
「重い顎関節症」
関節円板を関節内につないでいるひもが伸びすぎると、関節円板は一方に寄せられて、関節突起の動きを邪魔します。
口を大きく開けようとしても痛くて、開けられなくなります。
Without Reductionと書かれたQuickTime movieを見てください。
もし、口を開くときに、コキッとなったり、大きく開けようとすると、顎関節が痛むのなら、顎について自分が思い違いをしているのかも知れません。
「地図」と「現地」が違っているかも知れません。
ゆっくり、顎を触って、顎の動きの中心を見つけてください。
そして、頭を動かさずに、楽に口を開ける方法を見つけてください。
どんなに良い自動車でも、使い方を間違えると走りません。
人間は生まれたときには、すばらしい機能を持っていたのに、教育を受けるうちに、間違えた操作方法を覚えてしまうことがあります。
そんな人はやりたいことができなくなります。