従来、ストーマを作る患者さんの心理は、フィンクの危機理論で解説されていました。 しかし、フィンクの危機理論は、交通事故の脊髄損傷のように、突然発生じた問題に対する理論です。 予定手術で、ストーマを作る患者さんの状況には適合しません。 また、臨時手術でストーマを作られた患者さんに対しても、適切ではありません。 なぜなら、死ぬまでストーマを受け入れない患者さんが沢山いるからです。 現実には、自分の状況を「受容」しない人も存在するのです。 ここで、視点を変えてみます。 ストーマを作ることを「危機」としない見方をしてみます。 John Fisher はPersonal Construct Psychology(PCP 個人構成心理学)の心理学者です。 Fisher は、Personal Transition Curve という心のプロセスを提示します。 PCPが正しいと言うつもりはありません わたしが主張したいことを解説するのに都合がよいので、流用させてもらいます。 このプロセスはまず、「不安 Anxiety」で始まります。 ここでは、じぶんの理解やコントロールをはずれたことが起こっていることに気づきます。 今まで体験したことのない新しい状況の中で、今までとは違う行動をするために充分な情報がないのです。 看護学校や医学部への受験を考えたときのことを思い出してください。 |
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