筋肉に重さをかけない Valid HTML 4.01!

実験

 このイラストが空想であることはすでに示しました。

 念のために解説されているように、「骨突起のない殿部で支え,接触面積を広げる」ようにして、寝てみてください。

 大殿筋と一部の中殿筋が骨盤の下敷きになります。

 「骨突起のない臀部で支え」た骨盤は、安定していると感じますか

 「骨突起のない臀部で支え」た骨盤を支えている大殿筋、中殿筋を使って、体位を調整できますか?


 「感じて」みましたか?

 試してみるとわかるでしょう。この体位ではつらいのです。

 安定しません。骨で支えられないからです。

 人間の体は陶器をクッションで包んだものではありません。

 人間は自ら動くものです。

 筋肉の機能は、「骨を動かすこと」です

 けっして骨の下敷きになって、「重さを支えること」ではありません。

 動物が生きているときには、筋肉を自由に収縮させて骨を動かし、その骨を通して重さを支持面に流すようにしています。

 「骨突起のない臀部で支える」ような体位を取らせることは、自然ではない体位を強制します。

 もし、筋肉を下敷きにすれば、その筋肉はつかえなくなります。

 また、重さを骨にかけなければ、安定性がなくなり、自分で体位を調整できません。

 自然ではない体位は、不安定ですから、精神的にも不安になります。

 覚醒状態の低い人では、オリエンテーションの障害を起こすでしょう。

 側臥位を90度にこだわらないのは良いことです。

 しかし、「30度」という数字を提示することもさけなければなりません。

 
 「重さを骨突起にかけない」という表現が大きな誤解です。

 人間を見失っています。


 30度ルールは工学理論を単純に人体に当てはめただけのものです。

 「人間」を考えていません。

 圧をはかることしか考えない看護学者に反省してほしいと思います。




 誤ったことを非難はしません。私もしょっちゅう誤りを起こします。

 ただし、わたしは感じて修正するようにしています。

 この30度側臥位の問題は「試せば感じること」を疑問に思わないで、いつまでも「圧力測定」にこだわる考え方です。

 仮説の誤りを修正せずに、実験方法の誤りと思いこんでいる(「第一種の過誤と第2種の過誤」参照)のかもしれません。

 あなたは是非、自分の体で試し、上記のサイトで骨盤の断面や構造を確認して、権威に頼らず自分の体で判断してください。

ヒント

 キネステティクでは側臥位は固定する体位ではありません

 経過する体位です。いろいろな変化をします。

 ですから、側臥位は一時的な体位と理解して、とりあえず側臥位にしてみる。

 そして、手を当てて被介助者の体に、緊張がないかを確認する。

 理解できない緊張があったら、その周辺の四肢、頭、胸郭、骨盤を動かしてみる。

 動きの悪い部分の位置や当てものを調節するという、フィードバックコントロールを推奨します

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