精神の生態学

 さて、ここで生物と環境が作るメタシステムのインタラクションの集まりが「精神」を作ることが理解できたでしょうか?

 「生物は、地球環境とともに生態系というシステムを作る。

 そのメタシステムは個体の精神より一つ上の階層の精神、つまりメタ精神をもつ
」とベイトソンは考えました。

 ベイトソンが著書に「精神の生態学(Ecology of Mind)」という題名をつけた理由はここにあります。

 人間は一つの「生きているシステム」であり、生態系という大きなシステムの構成要素であるサブシステムでもあります。

 これが、「地球は一つの大きな生命」というガイア思想に結びつきます。

 地球の「今の世界」を知りたければ、ここをクリックしてください。

 また、地球の生態系は、太陽系のサブシステムであり太陽系より大きなメタシステムとしての銀河系の構成要素でもあります。

 このように考えると、宇宙の精神が方向性を持っていても、構成要素の一つである人間には観察できません。

 システムの構成要素はシステム全体を観察することはできませんから。