システムは、外部からの干渉を嫌います

 システムは、「構成要素が集まって、『全体』を作っている」ものです。ですから、それだけでひとまとまりになっています。

 この一塊となっている状態は瞬間的なものではありません。

 ある程度の時間、継続します。ということは、システムは自己保存機能や自律性を持っていることになります。

 そして、全体が一つとして、ある程度の時間存在しているということは、そのシステムが外部の
環境の変化に合わせられるということです。

 
このようなシステムに外部から「力」を加えると、それは「環境の変化」としてとらえられます。

 システムは、その「力」に対して、自己の全体を保存するように反応します。

 外部から見ると、「こっちが加えた力をそのまま受け取らない」と見えます。

 つまり、「システムは、外部からの干渉を嫌う」のです。

 こうした見方をすると、病院の中の組織も理解しやすくなります。

 事務、看護部、医局、栄養科、理学療法部門、そのほかにもいろいろな部署があります。

 お互いの部署がそれぞれ内部の結びつきを強くして、一つとして行動できるようになっていれば、他の部署からの「力」を嫌います。

 口では「分かりました」と言っても、内部では「自分たちで処理できるわい」と言っているかもしれません。