ここからは、わたしの感じたことを参考にしてもらうために書きます。 わたしにとって、一番、わかりやすいのがフェルデンクライス・メソッドでした。 フェルデンクライスは頭の良い人でしたから、ほかのワークの動き方を純化しました。 「心をひらく体のレッスン」には、フェルデンクライス自身が、センサリー・アウェアネスのハインリッヒ・ヤコビーからピアノのレッスンを受けた話が書かれています。 フェルデンクライスは自分の本にウェバー・フェヒナーの法則を書いたことをすっかり忘れていて、気がつかずにヤコビーにそのことを指導されたと書いています。フェルデンクライスも人間でした。 また、「フェルデンクライス身体訓練法」には、アレクサンダー・テクニークで行なうのと同じ、「椅子のワーク」が書かれています。 ほかの2つに比べて、フェルデンクライス・メソッドは、単純化されて、「感じやすく」できています。 「違い」に気づきやすい動き方をさせて、生徒が自分で試行錯誤して、発見できるようになっています。 ATMではプラクティショナーは手を貸したり、どうするのかを見せたりしません。 言葉で指示して、生徒がそれに従い、自分の「動き」の不具合を発見し、修正する「自主性」を獲得できるようになっています。 生徒は、「自らが発見することができる」ということを学習します。 フェルデンクライスは、自分の習慣的な動きで自らを締め付けるのをやめて、子どものように「自由になる」ことができることに気づかせようとしたと思います。 アレクサンダー・テクニークの「動き」は、フェルデンクライス・メソッドよりも、日常的なものになります。 立ち上がる、座る、歩くという普段、何も考えずに行っている「動き」の中に自らを苦しめているもとを発見します。 F.M.アレクサンダーは、何も考えずに、「習慣化した動き」で動き出すことを、「抑制」することを教えました。 フェルデンクライスは、「自由に動く」ことを推奨し、アレクサンダーは、「動きを抑制すること」を推奨しました。 言葉だけでは、反対のことを言っているように聞こえます。 しかし、アレクサンダーが、「抑制しなさい」と言ったのは、「習慣化した動き」です。 「習慣化した動き」は自由ではないのです。 ですから、あなたが今行っている「習慣化した動き」をやめられれば、今よりずっと自由になれます。 |
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