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「死への欲求」の否定 |
性格分析により、ライヒはマゾヒズムのクライエントを分析しました。
その結果、フロイトの唱えた「死の欲求」は誤りであると主張しました。
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「マゾヒストは、死の欲求という本能を持っていて、自らを苦しめているのではない。
今の自分を自ら苦しめることで、免責されているのである。
本来、自分があらねばならないと考えている状態のほうが苦しいのである。
それよりも、今の苦しみを受けているほうが、まだ楽なのである。
今の苦しみから逃れたときに来る新たな苦しさの方が強大であると思っている。
現在の自分を痛めつけていることで、さらなる苦しみから逃れるという快感を得ている。」
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ライヒは「フロイト以上のフロイト主義者」と言われました。
「人間は快楽原則に従って行動する」というフロイトの初期の考え方を生涯、維持しました。
そして、ライヒはフロイトが後期になってご都合主義的に出してきた「死の欲求」という概念を否定しました。
もちろん、このことはフロイトの機嫌を損ね、フロイトとライヒの関係は悪化しました。
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