意識、前意識、無意識

 いわゆる心の中には、エス、自我、超自我というある3つの心があります。

 この3つの心は、「気づき」の程度により3つの状態をとることができます。

 「意識(Bewusste)」、「前意識(Vorbewusste)」、「無意識(Unbewusste)」です。


意識

 bewusstはドイツ語の形容詞で「気づいている」という意味です。

 このbewusstを名詞化して、Bewusste「意識していること=意識」としました。

 一瞬一瞬におこっている現象から気づかされることで「意識」が生じます。

 あなたはこの文字を努力しなくても読んでいるのは、ここに書かれている文字が「意識」にのぼっているからです。

 


前意識

 ドイツ語では Vorbewusst 意識する前のこと です。

 ですから、日本語では、前意識です。

 注意を集中すると感じられるけれども、普段は気にしていないものがあります。

 これが「前意識」です


 この「前意識」と「意識」の境界は流動的です。

 より気づきやすくなれば、「意識」が増えて「前意識」は減ります。

 一般の人が「つい、無意識で・・・をやった」と言うときは、たいてい、前意識です。

 意識すれば意識できるのに、注意を払わなかったのですから、前意識なのです。

 意識がなかったのではありません。

 前意識は、英語では、"subconsciously 意識下で" または、"automatically 自動的に、勝手に" と表現されます。


無意識

 ドイツ語では、Unbewusst 意識できないことです。

 人間は、気づかずに体験していることから、何らかの意味を自分の中に作り出しています。

 しかし、これを意識することはありません。

 ただ、特殊な状況では意識されることもあります。

 無意識なものを意識するのは、普通の人にはできません。

 「無意識に・・・した」と意識できるのなら、本当に無意識ではないかもしれません。

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