行動主義から構成主義へValid HTML 4.01!

「パブロフの犬」から行動主義教育理論へ

 心理学が科学として認められるために、実験科学が始まりました。

 そして、有名な「パブロフの犬」が出てきます。

 パブロフは犬を使って実験をしていました。

 犬は餌を見ると唾液を分泌します。

 これは生まれながらに持っている反射です。

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 ところが、あるとき、パブロフは犬が飼育係の足音を聞いてだけで、唾液の分泌が増加することに気づきました。

 飼育係の足音は唾液の分泌とは直接の関係はありません。

 「飼育係の足音」が聞こえると、「餌がもらえる」という条件があったために、反射が起こるようになったのです。

 パブロフはこの反射を、条件反射と呼びました。

 これの意味は「条件による反射」です。

 「たまたま、このような条件により反射が起こる」というのです。

 積極的に教え込んだものではありません。


 パブロフ自身は、このような反射が人間の学習ではないと理解していました。

 
ところが、パブロフが学会誌で発表すると、アメリカの心理学者は飛びつきました。

 そのときの自分たちに都合の良いところだけ取り出しました。

 「刺激により条件付けると学習する」ということだけを強調しました(「心理学のモーツァルト」 ヴィゴツキー学 第1巻創刊号p.40からの受け売り)。



 パブロフがロシア語で書いた表現をそのまま英語にするとconditional reflex「条件的反射」 です。

 しかし、アメリカでは、conditioned reflex と翻訳されました。

 意味は、「条件付けされた反射」です。

 この表現では、意図的に条件に反応するように教育したというニュアンスになります。

 ですから、パブロフは現在、条件付けで学習させることを唱えた最初の人のように言われますが、それは逆なのでした。

 ロシア語で発表したために、アメリカ人に都合よく利用されました。

 その方が、行動主義理論にとって、都合が良かったのです。

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