世界中の人にとって、「外側の時間」は同じです。

 しかし、世界中の人にとって「内側の時間」はみんな違います。

 ですから、あなたとわたしの「外側の時間」をあわせても、「内側の時間」は絶対にあいません。

 2人の「内側の時間」をあわせるには、いっしょに行動することです。

あなたは「内側の時間」にしたがって、行動します。

 ですから、あなたの行動にいっしょについていくことで、わたしはあなたの「内側の時間」のリズムを受け取ることができるかもしれません。

 わたしが感じたあなたの「内側の時間」にわたしの「内側の時間」をあわせればいっしょに動くのも楽になるでしょう。

 そうすれば、あなたもわたしの「内側の時間」にあわせやすくなるかもしれません。

 これをくりかえせば、いっしょに動くことでお互いの「内側の時間」が同じくらいの速さになるかもしれません。

 そうなれば、たぶん気分がよいでしょう。

 このようにして、動きによりお互いの「内側の時間」が行き来することはコミュニケーションです。

 ですから、キネステティクでは「接触と動きはコミュニケーション」と教えられます。


 これはダンスでも同じです。

 リーダーの「内側の時間」は触覚と動きの接点で「外側」にでますが、すぐにパートナーの「内側の時間」に変換されます。

 リーダーとパートナーの「内側の時間」が一緒になれば二人は同じ時間を共有して一つになって踊れます。

 形だけ追いかけて、音楽の拍子にあわせて踊ると、「外側の時間」にあわせていることになります。

 そんなダンスは見ていても楽しくありません。

 もし、あなたが介助をすることがあるのなら、「せーのっ」とか「いち、にぃのさん」というかけ声をやめてみると良いかもしれません。

 かけ声は、「外側の時間」をあわせているだけで、「内側の時間」をあわせていないのです。

 「内側の時間」をあわせるには、「なめらかな動き」が有効です。


 注意

 「内側の空間」、「外側の空間」はキネステティクの本に書かれています。

 しかし、「内側の時間」、「外側の時間」は書かれていません。

 管理人の勝手な使い方です。

 参考にとどめておくようにしてください。

 キネステティクは自分の感覚から作り上げていく学問ですから、それでいいのかも。