キネステティクの紹介セミナーをすると、
「確かに気持ちよく動けます。
でも、現場では時間がないし、病室も広くありません。」
という受講者がいます。
そうです。 問題は「現場」にあります。
キネステティクの考え方に問題があるのではありません。
その受講者の施設では、老人や被介助者に必要な「時間」と「空間」を与えていないのです。
その施設の管理者の理解が低いか、日本の医療・介護の行政理解が低いのでしょう。
ですから、キネステティクの考え方が一般的になれば、「被介助者には『力』ではなく『時間』を与えることが大切」と理解されるようになるでしょう。
しかし、それは、今ではありません。
2005年現在の日本の医療、介護の現状では被介助者にも老人にも十分な「時間」も「空間」も与えられることはありません。
もし、あなたが介助を仕事にするのでしたら、一緒に動いてくれる可能性の高い被介助者や老人を優先するのが現実的かもしれません。
そうすれば、あなたと被介助者の間で、よい学習ができるでしょう。
ほかの被介助者やスタッフは、あなたと被介助者の動きを見て、「自分もそうしたい、されたい」と思うかもしれません。
今は、そのような現場からの理解が必要な時代なのだと思います。
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