鏡に映った顔はどう見えたでしょうか?

 女性は顔のしわを嫌い、フェイシャル・マッサージを受けます。

 顔のしわは表情筋の収縮でできます。

 マッサージ以前に自分の顔の筋肉の緊張に気づくことが大切です。

 自分の表情筋の緊張をゆるめ、自然な表情を出せるようにしなければ、どんなに高いオイルを使いマッサージしても、すぐ元に戻ります。

 「美しいままでありたい」と思うなら、まず自分の顔を締め付けないことです。


 顔の表情は筋肉の働きで作られます。

 過度の緊張をやめれば、適度の緊張が残ります。

 そこにできる表情は、ダランとして間の抜けた表情ではありません。

 どんな表情でもできるように準備のされた素直な表情です。

 その表情は、どんな刺激にも素直に反応できる心を表現したものかもしれません。

 心理療法のパールズエリスも、「人間の感情を素直に表現することが大切だ」と主張します。

 そのためには、素直な表情を許すことです。

 「素直な表情を許す」ということは、表情筋の過度の緊張を捨てることです。

 ひょっとしたら、あなたは自分の顔の筋肉の緊張をゆるめるときに、何かに気づくかもしれません。

 自分がなにかを思いこんでいて、自分で作った感情のために、筋肉を緊張させていたことに気づくかもしれません。

 前のページで示したように、顔の筋肉は「感情」を現わす道具です。

 その道具は、あなたの意識の下に隠された感情のために固められているのかもしれません。


 「認知症の患者さんに化粧をすると、精神状態が良くなる」と言われます。

 「顔に触れられて、きれいにされることは、自分の表情を許されること、自分の存在を表現することを認められることだ」と考えれば、そのようなことが起こりうると理解できます。

 化粧という方法が良いのではなく、その人の表現をサポートするという態度が化粧という方法で提供できるのかもしれません。

 この辺は今後、女性が発展させていくのでしょう。わたしは化粧しないからこれ以上分かりません。

実験

 寝る前に、静かに顔の筋肉の緊張をチェックし、ゆるめてください。

 そうすると、体の筋肉の緊張にも気づくかもしれません。

 それを作り出している心の緊張に気づくかもしれません。

 それに気づき、緊張をやめれば、翌日の朝は気持ちよく目覚めるでしょう。