非Aシステム

 ここまでで、いろいろなことがわかりました。

「内側の世界」と「外側の世界」があること。

人は「感覚」を通してしか、「外側の世界」を知ることができない。

 1. 地図は現地ではない。

 2. 地図は現地のすべてを表現していない。

 3. 地図の地図を作ることができる。

 実体を持たない「言葉」だけの「言葉」があること。

 これらのことを考えて、カーシブスキーは「すぐに行動せずに、ちょっと待ってみなさい」と教えました。

 同じことは、F.M.アレクサンダーも言っています。


 アリストテレスは「言葉の正しい使用」を追求しました。

 ですから、「○○は△△である」という表現が重要でした。

 カーシブスキーは
「言葉の上手な使用」を勧めます。

 「○○は△△であるように見えることも、そうでないこともあるかもしれない」というのが、現実を表現すると考えました。

 このような考え方を、カーシブスキーは非アリストテレスシステムとして、
ナルAシステムと呼びました。

 「科学と正気」の中でカーシブスキーは、"null A system is based on the denial of the 'is' of identity" 「ナルAシステムは、何かを
決定的に表現する『・・・である』ということの否定から始まる」と書いています

「ナルAの世界」

 その考え方に基づいて、ヴァン・ヴォークトは、「ナルAの世界」という有名なSF小説を書きました。

 コージブスキーの一般意味論を小説に盛り込んでありますと言われます。

 実は、私が最初にナルAという言葉を聞いたのは、この本の題名でした。

 この本を読んで言語学者を志した人がいるというほどです。

 私は言語学者になりたくなかったので、読みませんでした。

 そろそろ読もうか・・

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