自分の体を感じてみる

体を感じること」

 フェルデンクライスは、「人は自分が何をしているか、わからないままに行動している」とみました。

 自分が自分の体に何をしているかわからないから、文字どおり「体を壊す」のです。

 壊さないようにするには、自分が何をしているかを知らなければなりません。

 知るためのツールは、「体を感じること」です。

 自分の体のどこがどんな風に、「今」動いているのかを知る感覚が必要です。

 キネステティクではキネステティク感覚と呼ばれます。

 運動生理学では、運動感覚とか、動感覚と呼ばれることもあります。

 神経生理学では、固有覚と呼ばれるものがあります。

 同じものを意味しているのかもしれません。

 しかし、気をつけなければならないことは、フェルデンクライス・メソッド、キネステティク、運動生理学、神経生理学のそれぞれが他の分野を意識して説明しているのではないことです。

 フェルデンクライス・メソッドの内容を運動生理学や神経生理学で説明したとたんに、それはフェルデンクライス・メソッドの説明ではなく、生理学の説明になってしまいます。

 ここは、言葉で説明を求めず、自らの体で理解するのが一番です。

 体験したものに「名前」を付けるのが、ふつうの順番です。「名前」を決めてから、体験を作ることはできません。

 ですから、他の分野で言われることを「名前」や「言葉」だけで理解しようとすると、泥沼にはまります。

 結局、「体を感じること」は詳しい説明のないままに進むことにします。

 ははは、ひどい説明?