日本語訳のセンサリーアウェアネスでは、原著の付録の一部が、翻訳されていません。

 センサリー・アウェアネスを知らない人には、何を書いているか想像がつかないと思います。

 しかし、本を読んで自分で「気づく」と、以下の内容が理解できます。


付録Cの概略は以下のようになっています。正確な「翻訳」ではありません。

A グループリーダーをした心理学者S.K

 最初のセッションの中で、シャーロットは、一見、単純な実験をしました。

 パートナーの手を持ち上げて下ろすだけです。

 最初は何も感じませんでしたが、シャーロットが一緒にやって、「手を持ち上げておろすことに関係のないことを一切やめる」ように言われた後には、「自分」をはっきりと感じるようになりました。

 関係のない動きや、筋肉の収縮を捨てて、パートナーの手を挙げられるようになりました。

 また、自分の手を上げられるままにしておくことができました。

 パートナーのことをあれこれ考えないでいられるようになりました。

 親しみやすいとか、近づきがたいとか、魅力的とか、拒否的とかと感じるのをやめました。

 今まで他の人に手を持ち上げてもらったときのことや、他の人の手を持ち上げたときのことは捨てました。

 触れることの性的な意味も捨てました。正しい姿勢をとっているのかどうかということも捨てました。



 ただ、自分の手が持ち上げられるままにしたり、ただパートナーの手を持ち上げるだけをしました。

 そして、シャーロットが「今、自分のしていることを知ること(being fully present for what you're doing<)」と言った意味を、そのときにはっきりと体で感じました。

 そのとき、「今、自分のしていることを知る」ために生きるという驚くべきことができそうな気になりました。


 パートナーに手を預けて持ち上げられるままにしておくこと、パートナーの手を無心に持ち上げることは、単純なプロセスでした。

 しかし、いつもはそんなことに気を遣わず、他のことや筋肉の動きやに気をとられ、実際には何の意味もないことに意味や意図を見いだそうとして、その単純なプロセスを、やたらと複雑怪奇なものにしていたのでした。