学習と先入観

 前の2話から、読者は学習します。

 「そうか、感覚がテーマなんだ」と思います。

 わたしはそんなことを第3話について予告していないのに、今までの流れ、コンテクストから、読者はそのように思いこみます。

 前2話は、男の先入観が「価値観の逆転」のきっかけでした。

 第3話では、「価値観の逆転」の対象が違います。

 今度は読んでいるあなたの価値観、先入観なのです。

 突然、読者は老婆から、読者自身が当事者であり、このページを読んでいるんだから、当然理解しているだろうと指摘されるのです。

 ここで、価値観の逆転に気づいた人は、笑えます。

 「いったい、自分は何を期待していたんだ。当たり前じゃないか、今、自分が読んでいるように、老婆がインターネットでこのページを読んでいたって、不思議じゃない」と。


 実は「笑いは価値観の逆転である」とか、「接触と動きはコミュニケーション」という「考え方」は「道具」です

 なにかを分析して考えるときのツールです。

 上手に使えば、やりたいことをより機能的に美しく仕上げることができます。