一般意味論と英会話


 NHKテレビで「3ヶ月トピック英会話-ハートで感じる英文法」というものがあります。

 テキストの2005/09月号の表紙には「規則を捨てよ、感性を磨け」と書かれています。

 すばらしいタイトルではありませんか!わたしゃ、すきですね、こういうの。

 というわけで、中身をのぞいてみました。

 仮定法過去の解説が書かれています。仮定法過去を「控えめ表現」として使うことが書かれています。

 そう、英語にも敬語はあるのです。主に丁寧表現ですがね。

 11ページには、仮定法過去を使わない丁寧な表現として、以下のように書かれています。


「主観を交えるテクニック」

A: Kaz, you seem to have made a mistake in your calculations.
B: Really? But I went over the figures 4 times!


A: カズ、計算間違ってたみたいだよ。
B: 本当? だけど、4回もやったんだよ。

 直接的に、Kaz, you've made a mistake in your calculations.と言うと、角が立つこともあるでしょう。

 こうした、事実へのきっぱりとした言及から、seem to と主観を交えることによって、はるかにアタリの柔らかい発言を実現していますね。

 「直接的言及」から距離をとっているんですよ。やり方は簡単!I think...., I'm afraid..., it seems ...などをつければそれで十分。

 



 これを読んだとき、わたしはビビッと感じました。

 感性を磨き、規則を捨てることに励んでいるこのごろですから、ここでヒビッと感じたのです。

 おわかりですか?英語の問題ではありません。一般意味論の問題です。