顔の筋肉


 顔には表情を作る筋肉がたくさんあります。

 前頭筋は、後頭筋とともに額の横シワをつくり,眉毛を挙げます。

 眼輪筋はまぶたの開きをすぼめます。

 まぶしいときには前頭筋その他の顔面筋を同時にゆるめて、目をすぼめます。

 眼輪筋が収縮すると、周りの皮膚を引っ張ります。

 とくに目尻の皮膚を引っ張りシワを作ります。

 年を経ると、「カラスの足跡」をつくります。

 まぶたのところは、ゆっくり意識的に動かせますが、まばたきして黒目の上を通過するときは、意識して調節はできません。

 眼輪筋が収縮弛緩をくり返すことで、涙嚢から涙が押し出され、涙管に吸い込まれます。

 上唇挙筋は上唇を引きあげます。強く収縮すると上唇がまくれあがります。

 そのときには、鼻翼の一部が引かれます。試してください。

 この筋肉は唇の皮膚についています。

 その反対側は上顎骨や頬骨についています。

 この筋肉が唇を巻き上げない程度に収縮すると、「悲しい」顔になります。

 大小頬骨筋は唇の端を外側の上に引きます。

 「ニヤリと笑った」顔になります。

 笑筋は唇の端を横に引きます。

 強く収縮すると、「えくぼ」ができます。 

 この筋肉は咬筋を覆う筋膜から唇の角につながっています。

 「イーッ」と声を出して、唇を引きながら、咬筋に指を当ててください。

 緊張しているでしょう。

 「コンパニオンをして、1日中、愛想笑いをしていたら顎が痛くなった」という女性がいました。

 笑筋を酷使し、咬筋で支えていたのでしょう。

 口角下制筋は唇の端を内側の下に引きます。「口をへの字に曲げる」ときに使います。

 
広頚筋は顎の下の皮膚に張り付いています。

 他の表情筋は皮膚と皮膚以外のものをつないでいますが、広頚筋は皮膚と皮膚をつないでいます。

 他の組織についていません。

皮筋と呼ばれる種類の筋肉です。

 口角下制筋の延長になります。

ですから、口を強くへの字に曲げると、首の皮が突っ張ります。

 多くのほ乳類は皮膚に付属の薄い筋肉の層があります。

 皮膚をぴくぴく動かすのに役立っています。

 広頚筋はその名残りです。

 下唇下制筋は下唇をやや外側の下に引きます。「皮肉」な表情を作ります。

 オトガイ筋は下唇を下に引き突き出します。

 同時に顎の先端であるオトガイにエクボをつくります。

 「疑いや軽蔑」の表情を作ります。


 鼻筋は、「はなすじ」とは読まずに、「ビキン」と読みます。

 鼻をヒクヒクさせたり、鼻孔を広げます。奥様がやると魔女になります。

 鼻根筋鼻の根に横シワをつくります。

 「嫌悪感」を表現できます。